妖幻の血
赤美潤一郎の「妖幻の血」という漫画がある。
絵柄が、冬目景や沙村広明に結構似てるのでちょっと興味を惹かれたのだけれど、世界観がきちんと作られていて心地よい。
時代的には昭和初期をモチーフにしているそうだが、現実にそうであったかどうかはともかく、この独特の空気感は愛すべきものだろう。
少し話が変わってしまうが、碧的に思うのは、現代の日本は残念ながら日本的な情緒を失ってしまいつつあるということだ。これは、とりわけ精神的な側面で強く表れているように思う。
あくまでも印象でしかないが、人と人との間での愛し方や愛され方も変わってしまっているのではないか、という気さえする。そして、それは今のところ表面的な変化に留まっていて、いずれ内面が付いていくことになるのだろうが、表面と内面の差異が、微かな軋轢を生んでいるようにも感じられる。
どうにも漠然な話になってしまったし、これは妖幻の血とは殆ど関係のない話である。
ただ……時には生き急ぐことをやめて、日本的な、緩やかでしっとりとした空気の中に漂うことをしても良いのではないだろうか。物語の世界に没頭するのは、その為の一つの手段ではある。
